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2)試験部品分解点検結果
・連接棒は大端部にフレッチングの発生も見られず、問題ない。(図108)
・ピストンのトップランド部のカーボンの付着状況は、従来の形状に比ベファイヤリング付の方が明らかに少なく、シリンダライナの偏摩耗や鏡面化防止に効果があるものと考えられる。(図109)
・シリンダライナには、特に異常は見られず、問題ない。(図109)
・クランク軸表面には、偏摩耗等の異常は見られず問題ない。(図110)
・軸受表面には異常な摩耗は見られず、問題ない。(図110)
・カム表面にはピッチング等の異常は見られず、問題ない。吸気弁のバルブ可変機構にも異常は見られない。(図111)
・吸排気弁についても特に異常は見られない。また、セラミヅク溶射排気弁のシート面についても、剥離や偏摩耗等は見られず問題ない。(図112)

 

3)まとめ
目標出力である出力率309(従来は219)を達成することができた。サイクルシミュレーション結果に比べ、排気温度は高くなったが、給気圧が若干低めであり、この影響も考えられる。
サイクルシミュレーションとエンジン性能の間には、一定の相関が見られたが一致しない部分もあり、この結果を基に、320mm試験エンジンでのサイクルシミュレーションの精度向上の要素とした。
また、ミラーサイクルの適用によりNOxの低減が予想されたが、実際にNOxは環境規制値の約半分である約500ppmとなり、ミラーサイクルの有効性が確認された。

 

 

 

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